Googleと小島よしお アンビバレントな関係?

もう一週間余前の話だが、2月25日付けのニュースによれば、グーグルが日米間海底ケーブル敷設プロジェクトに参加するそうだ。

日米間のデータやインターネットトラフィックの増大に応えるために、海底ケーブルが通信会社数社で敷設を計画しているが、そのコンソーシアムに参加する。


ニュースをみた瞬間、なぜグーグルが通信インフラに投資?と思った。


グーグルのオフィシャルブログによれば、

"As more and more people conduct online searches and interact with applications like Gmail, Google Earth and YouTube, we've had to think outside the box to create a more scalable, affordable and easy to manage network that meets our users' needs worldwide. "

「ますます多くの人がオンラインで検索をし、GmailGoogle EarthYouTubeなどのアプリケーションを使うので、箱の外(the box=箱とは、グーグルのデータセンターのことだろう)でより規模の大きい、手頃な価格の、管理しやすいネットワークをつくることを考えなければならなくなった」そうだ。

確かに、YouTubeなどの動画で、お笑い芸人、小島よしおの「そんなの関係ねえ!」なんていうのが上位にランキングされたりするくらい流れているのだから、通信回線の容量に対する需給が急激に逼迫しているのだろう。

"Our participation in building Unity ultimately helps provide our users with faster and more reliable connectivity."

そこで、グーグルは、「日米間のケーブル敷設プロジェクトに参加し、ユーザーにより早い、信頼できるコネクティヴィティーを提供しよう」という。

"If you're wondering whether we're going into the undersea cable business, the answer is no. "

でも、海底ケーブル事業に入るのではありません、という。

"ensuring that we're delivering the best possible experience to people around the world."

と、最後には、世界のみなさんのためとしめている。


世界中のデータ/情報流通のハブとしてのポジションを維持する上で、これまではおそらく通信網インフラのボトルネックは存在しなかったので、通信網インフラを自ら確保する必要はなかったのだろう。でも、もし通信網インフラにボトルネックが生じると、通信会社との力関係は弱くなる可能性があるかもしれないし(だから、"affordable"(手頃な価格の)回線が欲しい)、グーグルのユーザーからみても「交換手」であるグーグルの検索機能を利用することのハードルが高くなってしまいかねない。


グーグルがデータ/情報流通のハブであるための条件として、通信インフラのabundanceがトラフィックの急激な増大で失われつつあることに気がつかさせる記事だった。グーグルにとっては、小島よしおのおかげでトラフィックは爆発しても、逆に回線が渋滞するようなことになれば、「そんなの関係ねえ」では済まされない。コスト構造やユーザーにとっての使い勝手のよさなどを維持するための海パンケーブル事業への参加、ということか。


(参考資料)
グーグルオフィシャルブログ
プレスリリース